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地球戦士ライーザ

ソフト紹介

親記事: 地球戦士ライーザ
タイトル: ブラスティじゃなくて良かったよ。
日付: Wed Apr 22 12:48:12 2009
書いた人:K−2

 二十歳そこそこの2人組が作った当時まだ珍しかったSFRPG。
その二人も今やエニックスの幹部であるのだから(もう過去形か?)俺も歳をとったもんだ。
SF風の味付けがかなり上手くいっており、ガンダム世代のユーザーのハートをガッチリと
鷲掴みにした。尤も、ロボット物ではあったがストーリーやら悲壮感漂う雰囲気はどちらかと
いうと宇宙戦艦ヤマトに近い物を感じるが。
MAPは、3Dや見下ろしスクロールではなくSLG風全体MAP。自分的には凄く斬新だと
思ったんだけど、実はスタートレック等に代表される非常に古典的な手法なんだそうな。
行く先を選んだら後は到着するまで時空跳躍!後年のSFCのトラバースなんかもこれの亜流か。
時空跳躍は距離を延ばすとHPの減りが激しく、エンカウント率とトレードオフの関係。
恐らくプログラム的にはあまりたいしたことはやっていないのだが、とにかくイメージ作りが
上手くいっているため、細かいアラなどどうでも良くなってくる。
時空跳躍、Gセンサー、大気圏バリアー、要所要所にちょっとした単語をちりばめるだけで
たちまちSFアニメなワールドに。変形アニメーションだとか、そんなのなくても充分雰囲気に
浸れたものだ。
SFな設定なので、ファンタジーものと違い、威力の数値にもそれなりの説得力があったし、
同じ武器でも微妙に攻撃力がちがったりしてまたいい。
ビームとミサイルの使い分けにもしっかり意味があったし(格闘武器はちょっと微妙だが)
ビームキャノン1・2とビームライフル、ビームキャノン3でそれぞれ装備箇所がちがうのも
わくわくする設定だ。ミオとブルーの何気ない会話もいい味出してる。
MSX版でちょっと残念だったのは、宇宙ステーションの管理者の顔(イメージ)やらリミの
顔が表示されない、ブルーの表情に変化が無い事だろうか。そこまで大きな絵でも無いので、
是非頑張って欲しかったのだが残念だ。(ミンスク親父とか好きなのに)
ちなみに当時ヒロインのリミは、エニックスゲームキャラの中で、セイバーのオフィーリア姫と
双璧の人気であった事を記しておく。

くどいようだが、このゲームはプログラム的には難しい事はやっておらず、内容的にも大変地味
である。戦闘も、Wiz的なコマンド先行入力同時戦闘式ではなく、ウルティマ的な順番待ち
の戦闘だ。(こっちの方がプログラム的に全然簡単)
ゲームの進行は基本的に力押しであり、レベルを上げ強力な武器を手に入れ、行ける場所に全て
行けば話は勝手に進む、謎解きも何も無いゲームだ。たいした時間もかからずあっさり終わる。
しかしそれを、味付け・イメージ作りの巧みさと、ストーリーのもって行き方だけでこれだけの
名作へと作り上げた(時代もあるだろうが)事実は、現在の装飾華美でプレイ時間よりも眺めて
いる時間の方が長く、且つ開発費が高騰しているこのテのゲーム業界へひとつの方向性を示すもの
として、再評価できるのではないか、と妄想する。
これは、ドラクエ的RPGとしてリメイクしてしまいPCユーザーから非難轟々であったFCの
「銀河の三人」の結果を見ても想像出来るのではないか。(不評の大半は絵のせいなんだが)

まあ、あのエンディングが無かったら、ここまで語り継がれてたか、ってのはあるんだけどさ。

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