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大戦略

ソフト紹介

親記事: 大戦略
タイトル: 基盤の放つ熱と夜気
日付: Fri Aug 24 06:01:29 2012
書いた人:ZL
 <planetary_titan_sushiya@hotmail.com>
私がMSX2を購入し、しばらく経ってから、はじめて買ったソフトが3本くらいあり、そのうちの1本が
これなんです(残りは『ハイドライドII』と『ファイナルゾーンウルフ』。すべてワゴンセール品だったな)。
PC-98シリーズ用『現代大戦略』(システムソフト)の移植であります。サイボーグMSXさんが、この
シリーズ1作目の時点でシステム的にはほぼ完成していて、シミュレーション入門として今でも十分
通用する、と書かれていますが私も本当にそうだと思います。購入した当初は、それこそテープのセー
ブ・ロードに個人的に疲れ始めていた頃で、当時はまだ目新しかったSRAMセーブの快適さだったり、
ジョイパッドも持たなかった私にもやさしいキーボードメインの操作性、マーク3のような家庭用ハードで
は味わえない本格パソコンソフトの風格など(これらはハイドライドIIにも同様に言えることです)、その
すべてが新鮮で刺激的に見えたものですが、このマイクロキャビンのMSX2版『大戦略』は、のちに
スーパー大戦略』『キャンペーン版大戦略II』といった上位バージョンが登場した後であっても、気が
つくとなぜか戻ってきたくなる、いやハッキリ言って私はむしろこっちで遊びたいと感じさせてくれる、
そんな一本になっているように思います。

このソフトにはROM版とディスク版があり、ROM版には前述のSRAMセーブの快適性、ディスク版
にはマップエディタが搭載と、それぞれに特色があります。
近年、私が主にプレイするのはディスク版です。やはりマップエディタの存在は非常に大きい。でも、
ゲームそのものは基本的に同じ内容で、私が感じるこのゲームの魅力は、ディスク版にもROM版にも
同じくあるものでした。
語弊があるかもしれませんが、MSX2版『大戦略』の表面的な素朴さとストレートさが好きです。
ゲーム画面が、全体としていい風合いになっている。意図したものか結果としてそうなってしまったの
かは分からないけど、「これこそがホームコンピュータの画面だ」と主張したくなる、なんとも人懐っこい
画面のように思えるのです。

悪い意味で引き合いに出すようで申し訳ないのですが、『スーパー大戦略』は確かにキリっとした良さ
がメイン画面から伝わってきます。かっこいい。ただ、戦闘画面がいまひとつ。
PC98版『大戦略II』なども当時、一部では冷たい印象があると言われていたようですから、やはりバー
ジョンアップにともなうミリタリー度の本格化がもたらす影響というのは(良し悪しを問わず)、少なから
ずあるんでしょう。

MSX2版『大戦略』の素朴さとストレートさ・・
・・主力戦車とはすなわちレオパルド2のことであり、輸送ヘリとはつまりイロコイスのこと・・という明快
さも、好きな人間からしたら魅力以外のなにものでもないし、戦闘画面に垣間見えるホームコンピュータ
感はなかなかのものだと思います。えー大変、語弊があるとは存じますが、一見かわいらしい。
そしてマップエディット機能を使えば、わりと無神経な存在である航空ユニット(偏見ですか?)を使用し
ないマップ(空港をゼロにする)で陸戦三昧、という楽しみ方もあります。

まあ後はなんといっても「Now thinking.」(考え中)の表示です。これのとなりで、アスタリスクがチカチカ
・・と明滅をくりかえすのですが、これが、大好きなんです。

いまの世の中、あらゆる現役ゲームユーザーから「ダサい」の一言ですまされそうなMSXの大戦略。
しかしまさにこれから先、ホームコンピュータの精神があらためて求められるに違いないと勝手に思いこ
んでいる私は、この大戦略だってきっと良さを分かってもらえる日が来るのだろうと勝手に思っています。
蛇足ですが、マニュアルの表紙には、ごく小さい文字で、
「We must conquer war, or war will conquer us.」
と書かれています。



予定が詰まっているおすすめ度: ★★★
わりとのんきなおすすめ度: ★★★★
対CPUのエッセンスとしての2か国戦: ★★★+0.5
2人対戦: ★
ジョイスティックも対応してます: ★★★
キーボードの操作感: ★★★+0.5
ビバ! イルミネーション ( 3 ) ・・・ Now thinking. ( ・* )

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