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ザ・ブラックオニキス

ソフト紹介

親記事: ザ・ブラックオニキス
タイトル: 夢遊病のように
日付: Sun Dec 19 07:07:00 2004
書いた人:ZL
 <planetary_titan_sushiya@hotmail.com>
セガ・マイカード版「ザ・ブラックオニキス」は、ある意味
最高のバージョンでした。MSX版との違いを挙げると、@画面
レイアウトが家庭用向きというか簡素になり、3D表示部の青い
ラインが(基本的には)取り払われて臨場感が出た。Aパスワード
によるキャラクター管理を採用(RF出力のテレビ画面では、文字
の判別が究極的に困難で泣きますが、それでもパスワード万歳)、
Bとてもみじかく、ひなびた、洗脳的なBGMが延々とループしている。
CHIDERのグラフィックデータが、ない。(これはギクッとくる)
D戦闘の状況説明にあわせてキャラクターが武器を振る動作をする。
(視覚的に状況を把握でき、リズムがある)E床屋。など
‥‥といった具合です。あとになってMSX版をプレイし、最初は
ややガッカリしていたのですが、今ではなくてはならない存在で
あり、やっぱりいいゲームなんです。昔、「ザ・コックピット」と一緒
にROMを持ち歩いて(笑)遊んでいたら、自転車に置き忘れてカバン
ごと持ち去られてしまったことがありましたが、あの出来事は私と
MSXの絆をさらに強めたといえます。バージョンの違いを超えて、
「ブラックオニキス」はロマンティックな広がりを感じさせるゲーム
でした。地下にはイベントらしいイベントなどほとんど無いといって
いいのに、どうしてこう「実地感覚」というか、すみずみにまで
存在感があるのか‥。明らかに、ほかのゲームの「迷宮」とは違う
レベルのものです。意味のない場所が多くあり、それらがときおり
プレイヤーをかき立て、意味のない探索に向かわせている。これは
もう「風土」と表現してもおかしくないでしょう。エリア単位で
データを管理しているような作りのゲームでは、この感覚の再現は
難しいでしょうね。町周辺の立体的なイメージは夢の印象のように
消え去らずに残っています。

このゲームには気安さというか、入りやすさがあり、だらしない
プレーでも楽しめます。キャラクターメイキングの手っ取り早さ
と、マルチプレイヤー指向のシステムのおかげで、無責任な創造
が繰り返され、町に放り出され、武器屋の前で解散してゆきます。
へんな名前をつけて、あとで後悔しないロールプレイングゲームは
あんまりないはず。「このやろうDX」というキャラクター名は
私の当時のヒット作でありました。でも、これを書いていると、
また真面目にやりたくなってきたなあ。

MSX-FAN誌の付録ディスクの最初のころに、この「ブラック
オニキス」が収録されました。ディスクセーブの簡便さもあって、
非常にありがたい存在となっています。


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