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エクセリオン
ソフト紹介
親記事: エクセリオン
タイトル: つきさすフォーク、ばらまくナイフ
日付: Sun Jan 29 07:12:25 2006
書いた人:ZL
<planetary_titan_sushiya@hotmail.com>
面白い、よくできている、頑張っている‥などなど、ゲームソフトへの評価の仕方にも、
いろいろなニュアンスがあります。ただそれらは、あくまでも個人の主観によるものなので
大勢によって共有することが難しいところも少なくはないでしょう。しかし、各人の認識が
たとえ一致しなくとも、それぞれの「ものさし」によってゲームソフトへの印象を言葉にして
行くことは、意義があって、また楽しいことだと思います。くるしくても楽しい(笑)
MSXのような、長い年月にわたって一線で活躍し、ハード・ソフトをめぐる歴史の流れを
さまざまな視点から見渡すことができるマシンであれば、なおのことであります。どのジャン
ルにしても、競合相手には不自由しないでしょう。
『エクセリオン』は、ライバルが「外にも内にもいる」きびしい状況下で奮闘してきました。
なにしろファミコン版の『エクセリオン』といえば、本当に遊べる屈指の家庭用シューティング
ソフトであると私が勝手に位置付けるまでもなく、たいへんな良作だと思いますが、MSX
版自体にも『Zorni ExerionII』という、やや焼き直し的な雰囲気の続編があり、下手を
すれば危うい位置に。また、proteusさんのコメントによれば、セガのSGシリーズ版も相当
ナイスな出来の様子。MSX版エクセリオンに幸多からんことを!じゃなくて、どのような良さ
があるのか?話、長いね。
単純に続編『Zorni ExerionII』との比較をするならば、『エクセリオン』のほうに軍配があ
がるでしょう。動作はクイックだし、バックの空色が黒いぶん、キャラクタが映えています。
自機および敵のデザインもかなり異なり、どちらかといえば、これも本作の方が上。
しかし最大のポイントはゲームの進行感覚でしょう。ユーザーの要望が多かったのか、本作
には無かったボーナスステージが付いた結果、続編『Zorni』のプレイテンポは落ちました。
ステージの切り替え処理で画面全体がまたたく感じになっているのと、ボーナスステージ前
の毎回のメッセージ表示で、ぎこちなさが生じてしまったように思います。
このMSX版『エクセリオン』の、どんどんステージを移行してゆく感覚が、とても好きです。
厳密には固定画面なのに、奇妙な距離感のある立体的な背景が流れてゆく中で、一連
の継続した飛行感覚が得られ、本当に種類の少ない敵キャラクターが印象的に動く様子
や、画面内の位置取りによって自機が仰角を変え、(FC版ほどではないが)慣性も加わる
アナログ的なスリル感からは、パッと見ただけではうかがい知れないような、「力点の置き方」
の明らかな違いに気付かされます。本作にしても、画面転換の処理が別の意味でぎこちな
いものであることは確かなのですが、その様子すら心地よい気がするのは、その「力点」が影
響しているということかも知れません。
1万点で1機を追加したきり、深く沈黙するエクステンド条件も味があります。ストーリー性の
あるスクロール・シューティングとはプレイのモチベーションも多少異なりますが、つねに選択肢
の一つとしてあっても不思議ではない、オリジナルのテンションを誇る1本です。
おすすめ度 : ★★★ +0.5
音のバリエーション : ★★
操作に対する画面全体のリアクション : ★★★★
ゲーマー心中度 : ★★
すまん、あとでまた会おう : (参照『イーグルファイター』)
野性的未来空間の幻惑 : ★★★
おいしい敵、きらいな敵をバランスよく調理する : ★★★★
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