[MSXソフトウェア検索Tagoo]
アメリカントラック

ソフト紹介

親記事: アメリカントラック
タイトル: I’m Fine,Thank You. Over.
日付: Sat May 21 06:54:05 2005
書いた人:ZL
 <planetary_titan_sushiya@hotmail.com>
 8ドットスクロールには独特の力感があります。車が加速してゆ
く過程の多少のぎこちなさ、高速域で安定している際の効率の良い
スピード感覚、これらを愛さずに、どうやってMSX生活をつづけて
行けましょうか? いや、実際にはキャラクタ単位のスクロール・ゲ
ームにも多種多様なデキのものがあります。でもMSXの上位機種
が、ダイナミックな画面描画のバランスをついに奪還できないまま
でいたことを思えば、非常に早い段階で熟成された、極められた感
のあるMSXのグラフィカルなテキスト表現(?)に対して、単なる
ノスタルジーでは済まされないような、何かを感じませんか。

『アメリカントラック』は、横方向には一切スクロールしないまま、
路面キャラクタのバリエーションでなだらかなコースレイアウトを
実現しているグレイトなゲームですが、そんなことを口にすれば、
「ユー、シャーラップ!」とか言われそうな、パワフル、アバウトに
してワイルドな一本ですので、何も考えない様にしましょう。
 プレイの基本はキーボードです。ジョイパッドのたぐいは、この
ゲーム向きではありません。腕と背筋を伸ばし、キーボードを両手で
押さえ込むようにしながら「運転」するのが正しいスタイル。ワオ。
 気を良くされているところへ申し訳ありません。このゲームには
一発死のトラップが、あなただけを待ちかまえていますので、頭に
たたき込んでください。バリケードくらいならば、少々突破しても
大丈夫ですが、タンクローリーの突き上げ、そしてタンクローリー
のベルベットな「タッチパイプー」攻撃、凶悪なTNT爆弾の路上
放置にプロフェッショナルに対処してゆきましょう。それにしても、
速度をゆるめて未知の(あるいは失念した)トラップに備えたいのに
どんどんアクセルを踏み込んでしまう自分がいます。これはかなり、
心地よいスピード感がありますね。他の一般走行敵車両に対しては
ほとんど無敵であるところがグッド。そして、微妙なコントロール
を邪魔されて時にはミスにつながる干渉具合が秀逸です。

小学生の頃、レジのレシートに使うロール紙を使って、道路ゲーム
を作って遊びました。分岐点があり、選択して紙をたどっていくと、
行き止まりやダメージ、1UPなどがあるという仕組みで、かなり
作り込んだ記憶があります。それは単純な駆け引き以上に、遠くま
で来たという実感、時間の経過の感覚、景色を楽しむというような
要素を持っているものでした。『アメリカントラック』にも、もっと
どこまでも走破して行きたい、という思いを抱きます。アスペクトの
本「スタパ式」のなかで、スタパ齋藤さんが、「続編が出るのを永遠に
待ちたい」、と書かれていました。私も同じ気持ちです。バージョン
1.5でいいからと願っています。去年FM-7版をプレイする機会が
ありました。単色に近い画面ながらも、はね飛ばされた車がスピンを
するなど新鮮で、まったく遜色ないワイルドさでした。
幅広く愛されたタイトルだったんですね。

 先日、某教育チャンネルを観ていたら、ピーター・バラカン氏が
番組の司会をしていました。なんとなしに80年代モードに突入し、
ホルガー・シューカイとデヴィッド・シルヴィアンのコラボレート
アルバムなどをかけ、プログラムDJ(MSXポケットバンク)気分
に浸っていたら、例のテレビの英語番組は、雅楽の演奏家のゲストを
スタジオに招いて、デコトラの取材VTRを一緒にみているという、
意味不明な構成になっていました。ドライバーの人に日本語で質問
しているのを見て、トンチ、否、パンク魂を感じました。そこまで
して英語の番組で取り上げた意図は何なのか。言葉が通じなくても
伝えたい思いがある。トラッカーの世界には国境はなさそうです。


おすすめ度: ★★★★
西部警察度: ★★★
燃料ください: ★★★ (参照『カーファイター』)
残機ください: ★★★ (参照『ロードファイター』)
救急車通ります: ★  (参照『渋滞パニックトラフィック』)
サウンド: ★★★★
ビバ!イルミネーションA「トリップメーター」: ★★★★★
情報の心地よさ: ★★★★
大陸走破感: ★★
テレネット・ミッシング・リンク度: ★★★★

引用する

このレビューに対するコメント
まだ登録されていません。

戻る