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ファイアボール
ソフト紹介
親記事: ファイアボール/1
タイトル: ありがとうございます。
日付: Tue Aug 10 17:51:26 2010
書いた人:hybrid.N
5年もたってからのレスはかなり気が引けているのですが、これほど的確で
重厚なレビューを受けたことは他にないので、オリジナル開発者より敬意を
表して書き込ませていただきます。(今になって、という気はしますが)
「ファイアボール」は、残念ながらMSX2専用ではなく、FM77AV専用で開発し、
ハミングバードソフトの意向でMSX2にのみ移植したものです。私自身は移植
にはタッチしませんでしたが、全ソース・データとアルゴリズム説明資料は
コミットしており、ハミングバードソフトがオリジナルのクオリティを尊重
してくれたので、MSX2版は同等レベルに仕上がっているものと思います。
# ちなみにFM77AV版の動画は現在、ニコニコ動画にアップされています。
# トップページから“FM77AV ファイアボール”で検索してみてください。
さて、「はじめてプレイした時、あまりにも地味すぎないか、と思った」に
ついては、まったくごもっとも、です。
私の開発意図は、ビル・バッジ氏によって実現されたパソコンピンボールが
いつまで経ってもパチンコ台の親戚よろしくから脱却できない状況に対して
そろそろ革命的な要素を投じたい、ピンボール台がそもそも持っているフィ
ーリングをもっと忠実に再現したい、というところでした。
本物のピンボールは実際にボールをどつきまわしているのでその部分につい
て考える余地はなく、動いたボールに何をさせるかを考える方向に進化して
いたと考えられるのに対し、パソコンピンボールはボールがそこにあるわけ
ではないのでまずはそこから始めなければならない、言い換えれば「ボール
が台の上で転がっていることから人が感じる印象」をパソコンの画面から受
け取れるものを作ろう(ゲーム性は後から私を追う人がやればいい)と考え、
そこにこだわったのです。
そのためテーマとかストーリーといったところにはあまり力を入れず、また
ボールを叩きながらビーム発射、とか、機械仕掛けでは実現できない構造、
といったパソコン前提の仕掛けは排除することにして、もっぱらボールを動
かして、それを表示するアルゴリズムと「ボールをコントロールする面白さ」
に注力していました。
なので、ゲーム性という点ではけっして褒められたものではないと思います。
「もったいない」と言われれば、仰るとおり、としか言いようがありません。
一方で「ボールと、フィールドの関係性を再現すること」というご指摘につ
いても、まさしく私の狙いを正確に掴んでいただいたと思っています。
KAZeの各ピンボールは、素晴らしくよく出来たソフトで、ファイアボールと
比較になるとは思いませんが、あれは後期ピンボールにおける進化形をトレ
ースしたもので、まさしく「後から私を追う人」の作品だと思っています。
(KAZeの方々とは何の面識もありませんが)
言い換えれば、KAZeのピンボールは後の時代に開発された分、ゲームもソフ
ト自体もはるかにレベルの高いものになっていますが、プリミティブなもの
にはそれに相応した風合いといったものが在り、それぞれの味わいを楽しん
でもらえれば、開発した甲斐があったと思えるわけです。
最後に、「随分、素っ気ないフィールドなんだけれども、この不思議と「華
のある」感覚はなんなのだろう。」というご感想は、開発者にとっては最高
の褒め言葉ですね。どうもありがとうございました。
このレビューに対するコメント
1. こちらこそ、ありがとうございます。 (ZL)
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